漢方コラム

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日本の漢方界は百花繚乱

日本の漢方界は漢方医の数だけの方法論があり、1人の患者さんに対して漢方医の数だけ処方があります。それは漢方薬の機序・生薬の効能がはっきりしないこと、エキス剤中心なので効きすぎないため適切でない場合に害が少ないことなどが原因として挙げられます。
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「生薬配合のバランスを崩すな、使用量を変えるな」は本当か?

「生薬配合のバランス崩すな、使用量を変えるな」と、漢方初学者の頃よく言われたものです。2000年もかけて作られてきた方剤の絶妙なバランスは重要ですが、エキス剤にする時にすでに変えてしまっていますし、生薬自体、種が違うものを使ったりしています。
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生物の学名について

生物の学名は「属名」と「種名」の2語のラテン語で表す「二名法」が採用されています。私たちは「アサガオ」と言いますが、これは「一般名」です。2020年時点で、地球で学名がつけられている生物は180万種以上、動物は約130万種と言われています。
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Carl von Linné

生物の分類方法を現在の学名に採用されている二名法にすることを提唱したのは、スウェーデンの博物学者、Carl von Linné(カール フォン リンネ)です。二名法はリンネの発案ではありませんが、初めて首尾一貫してこの命名法を採用したがリンネでした。
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生物の分類

生物は分類の基本単位である「種」の他に「綱」「目」「属」などの上位分類単位が設けられています。新エングラー体系とクロンキスト体系が代表的な分類体系でしたが、1998年、DNAの塩基配列の差異を根拠としてAPG分類体系が発表され、主流になりつつあります。
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生薬とは?

日本薬局方では生薬を「動植物の薬用とする部分、細胞内容物、分泌物、抽出物、または鉱物など」と定義し、約300種の生薬を収載しています。生薬によく似た言葉で、薬用植物、民間薬、ハーブ、本草などがありますが、それらは何が違うのでしょうか?
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漢方という言葉

「漢方」とはいつからある言葉なのでしょうか?日本が鎖国していた江戸時代中~後期、「蘭学」のひとつとして、今までの医学とは異なる医学がオランダから伝来します。その際、それまでの医学と区別するため、「蘭」に対して「漢」「和」と呼ぶようになったようです。
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毒薬としてのトリカブト(附子)

遥か古代から、刑罰に、暗殺に、世界中で毒が使われてきました。漢方で使用される「附子」の基原植物であり、毒草として名高いトリカブトもそのひとつです。757年(奈良時代)成立の「養老律令」には、附子を用いて人を殺したものは絞首刑と定められていました。
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古典に見る附子含有方剤

中国医学の三代古典といえば、漢代(紀元前206年~220年)に成立した「黄帝内経」「傷寒雑病論(傷寒論・金匱要略)」「神農本草経」。日本漢方が聖典とした「傷寒雑病論」の中から附子・烏頭含有方剤を表にしてみました。それぞれの用量、修治などが見て取れます。
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西洋におけるトリカブト

古代中国では生薬「附子」としてトリカブトが古くから薬用利用されてきましたが、西洋では薬としてはあまりメジャーではありませんでした。中国が全体感やバランスを重視したのに対し、西洋は要素還元主義的立場だったことが原因の一つかもしれません。