脉緩とは現代的に考えると、脉緩とは何なのか?
脉緩を含む条文古典に散見する脉緩
- 宋版傷寒論1-16条
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脉來緩 時一止復來者名曰結
脉來數 時一止 復來者 名曰促
脉 陽盛則促 陰盛則結 此皆病脉 - 宋版傷寒論1-8条
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陽脉浮大而濡 陰脉浮大而濡 陰脉與陽脉同等者 名曰緩也
- 宋版傷寒論1-21条
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趺陽脉遲而緩胃氣如經也 趺陽脉浮而數 浮則傷胃 數則動脾 此非本病 醫特下之所爲也
榮衞内陷 其數先微 脉反但浮 其人必大便鞕 氣噫而除 何以言之
本以數脉動脾 其數先微 故知脾氣不治 大便鞕 氣噫而除 今脉反浮 其數改微 邪氣獨留 心中則飢
邪熱不殺穀 潮熱發渇 數脉當遲緩 脉因前後度數如法 病者則飢 數脉不時 則生惡瘡也 - 宋版傷寒論2-15条
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南方心脉 其形何似 師曰 心者火也 名少陰 其脉洪大而長 是心脉也
心病自得洪大者愈也 假令脉來微去大 故名反 病在裏也 脉來頭小本大 故名覆 病在表也
上微頭小者則汗出 下微本大者則爲關格不通 不得尿
頭無汗者可治 有汗者死
西方肺脉 其形何似 師曰 肺者金也 名太陰 其脉毛浮也
肺病自得此脉 若得緩遲者皆愈 若得數者則劇 何以知之 數者南方火 火剋西方金 法當癰腫 爲難治也 - 宋版傷寒論2-22条
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寸口衞氣盛 名曰高 榮氣盛 名曰章 高章相搏 名曰綱 衞氣弱 名曰惵 榮氣弱 名曰卑 惵卑相搏 名曰損 衞氣和 名曰緩 榮氣和 名曰遲 緩遲相搏 名曰沈
- 宋版傷寒論2-23条
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寸口脉緩而遲 緩則陽氣長 其色鮮 其顏光 其聲商 毛髮長 遲則陰氣盛 骨髓生 血滿 肌肉緊薄鮮鞕 陰陽相抱 榮衞倶行 剛柔相得 名曰強也
- 宋版傷寒論2-30条
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寸口脉弱而緩 弱者陽氣不足 緩者胃氣有餘 噫而呑酸 食卒不下 氣填於膈上也
- 宋版傷寒論2-36条
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寸口脉微而緩 微者衞氣疏 疏則其膚空 緩者胃氣實 實則穀消而水化也 穀入於胃 脉道乃行 水入於經 其血乃成 榮盛則其膚必疏 三焦絶經 名曰血崩
- 宋版傷寒論3-13条
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尺寸倶浮者太陽受病也 當一二日發 以其脉上連風府 故頭項痛 腰脊強
尺寸倶長者 陽明受病也 當二三日發 以其脉夾鼻絡於目 故身熱 目疼 鼻乾 不得臥
尺寸倶弦者 少陽受病也 當三四日發 以其脉循脇絡於耳 故胸脇痛而耳聾 此三經皆受病 未入於府者 可汗而已
尺寸倶沈細者 太陰受病也 當四五日發 以其脉布胃中絡於嗌 故腹滿而嗌乾
尺寸倶沈者 少陰受病也 當五六日發 以其脉貫腎絡於肺 繋舌本 故口燥舌乾而渇
尺寸倶微緩者 厥陰受病也 當六七日發 以其脉循陰器絡於肝 故煩滿而嚢縮 此三經皆受病 已入於府 可下而已 - 宋版傷寒論2条
康治版傷寒論2条 -
太陽病 發熱汗出 惡風脉緩者 名爲中風
太陽病。發熱し、汗出で、惡風し、脉緩なる者は名づけて中風と爲す。
- 宋版傷寒論23条
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太陽病 得之八九日 如瘧状發熱惡寒 熱多寒少 其人不嘔 清便欲自可 一日二三度發 脉微緩者 爲欲愈也 脉微而惡寒者 此陰陽倶虚 不可更發汗更下更吐也 面色反有熱色者 未欲解也 以其不能得小汗出 身必痒 宜桂枝麻黄各半湯 方十
太陽病、これを得て八九日。瘧状の如く發熱惡寒し、熱多く寒少し。其の人嘔せず、清便自ら可ならんと欲す。一日二三度發す。脉微緩の者は愈えんと欲すと為すなり。脉微にして惡寒する者は此れ陰陽倶に虚す。更に汗を発し、更に下し、更に吐かしむべからず。面色反って熱色有る者は未だ解せんと欲せざる也。其の小汗出づることを得ざるを以って身必ず痒し。桂枝麻黄各半湯に宜し。(方十)
桂枝麻黄各半湯方
桂枝一兩十六銖 去皮 芍藥 生薑切 甘草炙 麻黄各一兩 去節 大棗四枚 擘 杏仁二十四枚 湯浸去皮尖及兩仁者
右七味 以水五升 先煮麻黄一二沸 去上沫 内諸藥 煮取一升八合 去滓 温服六合 本云 桂枝湯三合 麻黄湯三合 併爲六合 頓服 將息如上法 - 宋版傷寒論39条
康治版傷寒論17条 -
傷寒 脉浮緩 身不疼 但重 乍有輕時 無少陰證者 大青龍湯發之 九 用前第八方
傷寒。脉浮緩。身疼かず、但だ重し。乍ち輕き時有り。少陰の證無き者、大青龍湯にてこれを發す。(九 前の第八の方を用う)
- 宋版傷寒論178条
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脉按之來緩 時一止復來者 名曰結 又脉來動而中止 更來小數 中有還者反動 名曰結 陰也 脉來動而中止 不能自還 因而復動者 名曰代 陰也 得此脉者 必難治
脉、これを按ずるに、來ること緩。時に一たび止まり復た來る者、名づけて結と曰う。又、脉來ること動にして中ごろ止まる。更に來ること小數。中ごろ還る者有り、反って動す。名づけて結と曰う。陰也。脉來ること動にして中ごろ止まり、自ら還ること能わず。因って復た動ずる者、名づけて代と曰う。陰也。此の脉を得る者、必ず治し難し。
- 宋版傷寒論187条
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傷寒 脉浮而緩 手足自温者 是爲繋在太陰 太陰者 身當發黄 若小便自利者 不能發黄 至七八日大便鞕者 爲陽明病也
傷寒。脉浮にして緩。手足自ら温かなる者は、是れ繋って太陰に在りと為す。太陰は身當に發黄すべし。若し小便自利する者は發黄する能わず。七八日に至って大便鞕き者は、陽明病と為す也。
- 宋版傷寒論244条
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太陽病 寸緩關浮尺弱 其人發熱汗出 復惡寒 不嘔 但心下痞者 此以醫下之也 如其不下者 人不惡寒而渇者 此轉屬陽明也 小便數者 大便必鞕 不更衣十日 無所苦也 渇欲飮水 少少與之 但以法救之 渇者 宜五苓散 方三十
太陽病。寸緩、關浮、尺弱。其の人、發熱し、汗出で、復た惡寒す。嘔せず。但だ心下痞する者は、此れ、醫がこれを下すを以ってなり。如し其の下さざりし者、病人惡寒せずして渇する者は、此れ陽明に轉屬也。小便數の者は、必ず大便鞕し、更衣せざること十日なるも苦しむ所無なきなり。渇して水を飲まんと欲するときは、少少これを與う。但だ法を以ってこれを救う。渇する者は五苓散に宜し。(方三十)
五苓散方
猪苓去皮 白朮 茯苓各十八銖 澤瀉一兩六銖 桂枝半兩 去皮
右五味 爲散 白飮和 服方寸匕 日三服 - 宋版傷寒論278条
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傷寒 脉浮而緩 手足自温者 繋在太陰 太陰當發身黄 若小便自利者 不能發黄 至七八日 雖暴煩下利日十餘行 必自止 以脾家實 腐穢當去故也
傷寒。脉浮にして緩。手足自ら温かき者は、繋って太陰に在り。太陰は當に身黄を発すべし。若し小便自ら利する者は、發黄する能わず。七八日に至り、暴に煩し、下利すること日に十餘行なりと雖も必す自ら止む。脾家實し、腐穢當に去るべきを以っての故也。
- 金匱要略5-4条
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寸口脉遲而緩 遲則爲寒 緩則爲虚 榮緩則爲亡血 衞緩則爲中風 邪氣中經 則身痒而癮疹 心氣不足 邪氣入中 則胸滿而短氣
寸口の脉遲にして緩。遲は則ち寒と為す。緩は則ち虚と爲す。榮緩なるときは則ち亡血と為す。衞緩為るときは則ち中風と為す。邪氣經に中るときは則ち身痒くして癮疹となる。心氣不足し邪氣中に入るときは則ち胸滿ちて短氣す。
- 金匱要略15-1条
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寸口脉浮而緩 浮則爲風 緩則爲痺 痺非中風 四肢苦煩 脾色必黄 瘀熱以行
寸口の脉浮にして緩。浮は則ち風と為す。緩は則ち痺と為す。痺は中風に非ず。四肢煩に苦しむ。脾の色は必ず黄。瘀熱以って行く。