胆汁
科学で考える漢方診療
2025.04.23
- ヒト体内に存在するコレステロールの約50%は胆汁酸に変換されたのちに体外に排出。胆汁酸の生理的機能の1つとして、コレステロールの排出形態であるということが挙げられる
胆汁酸はその生理機能の1つとして、水分、並びにレシチン、コレステロール、胆汁色素などの固形成分の胆汁への分泌を促進しているのである。
- 肝から分泌された胆汁は胆嚢内に一時貯蔵され、水と電解質の吸収を受けて濃縮される
- 胆汁中の胆汁酸はレシチンとともにミセルを作ってコレステロールを可溶化している。もし胆汁中の胆汁酸濃度が低下すると、ミセル中に取り込めきれないコレステロールが集合し結石することになる
- 小腸内において、胆汁酸は脂質の消化吸収を介助促進するという機能を発揮している。胆汁酸は膵液リパーゼを活性化し、またその至適p Hを調節し、さらに中性脂肪を乳化して膵液リパーゼの作用する水―油海面を拡大してその働きを助ける
- 胆汁酸は脂肪分解物とともに脂溶性ビタミンなどの脂質をミセル形成によって妖怪し、それらの腸壁からの吸収を容易にしている
- 脂質の消化吸収における胆汁酸の働きは空腸まで続くが、回腸に達したとき、胆汁酸の大部分は再吸収される
- 胆汁酸は腸管から能動輸送と受動拡散の両形式によって吸収。抱合胆汁酸は主として能動輸送。したがって抱合胆汁酸は十二指腸、空調からは吸収されにくく、その生理的機能を発現するに必要な濃度が維持される
- 回腸から再吸収された胆汁酸は門脈を通って肝に運ばれ、肝細胞に摂取され再び胆汁中に分泌されて腸肝循環を行う
- 腸内で胆汁が不足すると、カルシウムやビタミンDの吸収も不良になる