副腎機能低下症・副腎クリーゼ・アジソン病
科学で考える漢方診療
2025.04.14
- 副腎機能低下症
- ACTHの分泌不足が原因の場合(二次性副腎皮質機能低下症)、電解質濃度はしばしば正常範囲内に収まるか、異常でも軽度にとどまり、循環障害もより軽度となる
- 色素沈着の原因とはならない
- 二次性副腎皮質機能低下症はACTH欠乏→視床下部の下垂体でのACTH産生を刺激する機能が低下した結果生じる可能性もあり、これは時に三次性副腎皮質機能低下症と呼ばれる。
- 電解質やBUNが比較的正常範囲内に収まっている。低ナトリウム血症があれば、通常は希釈性である。
- 二次性の場合は甲状腺機能および性線機能の低下並びに低血糖を示す。
- 副腎クリーゼ(重度の症状の発生)
- (重度の症状の発生は)急性感染症症によって誘発される場合がある。感染は一般的な原因の1つであり、特に敗血症がある場合にその可能性が高い。その他の原因としては、外傷、外科手術、大量発汗によるナトリウム喪失などがある
- 著名な無力症(筋力低下) 腹部、腰部、または下肢の重度の疼痛 末梢血管虚脱 高窒素血症を伴う腎機能の停止
- 体温は低下する場合もあるが、高熱が見られることも多い(特に急性感染によってクリーゼが誘発された場合)
- ミネラルコルチコイドの欠乏は汗、大輝、消化管への排泄にも同様の障害をもたらす
- 尿中塩および水分の喪失は、重度の脱水、こう結晶浸透圧、アシドーシス、循環血液量の減少、低血圧、やがては循環虚脱をもたらす
- グルコルチコイドの欠乏は低血圧の一因 インスリン感受性の著名な亢進および炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝障害をもたらす。コルチゾールが欠乏すると、タンパク質から十分な炭水化物が生成されなくなり、結果として低血糖と肝グリコーゲンの減少が生じる。続いて筋力低下が起こるが、これは一部には神経筋機能不全のよるものである。寒仙、外傷、その他のストレスに対する抵抗力が低下する
- 血中コルチゾール血の低下はACTH産生および血中βリポトロピンの増加を招き、メラノサイト刺激活性を有するβリポトロピンがACTH<とともに、アジソン上に特有の皮膚や粘膜色素沈着をもたらす
- 色素沈着は、肺癌、貴金属(鉄、銀など)の摂取、慢性皮膚疾患、ヘマクロマとーシスによっても生じうる
- アジソン病(副腎皮質の機能低下)
- 自己免疫的な機序か、肉芽種(結核やヒストプラズマ)、腫瘍、出血、または炎症性壊死などによる副腎の破壊に起因する
- 初期―筋力低下、倦怠感、および起立性低血圧
- 色素沈着
- 食欲不振 悪心、嘔吐、下痢、耐寒性低下、めまい、失神
- 後期―体重減少、脱水、低血圧
- 筋力低下は安瀬によって軽減 ミオパチーは、その分布、異常な色素の欠如、検査所見で鑑別できる
- 糖新生が低下しているため、絶食後に低血糖 インスリン分泌過剰の低血糖は食欲増進
- 低ナトリウム血症は、心疾患または環疾患を伴う浮腫患者、SIADHとの鑑別が必要
- 併発疾患(感染症など)は重篤である可能性が高い
- 時に水分補給の過程で40、6度を超える発熱がみられる