併病・合病とは現代的に考えると、併病・合病とは何なのか?
二つの病が同時に存在する
- 併病
- A病が存在する時にB病が起こる。
- 合病
- A病とB病が同時に起こる。
併病を含む条文古典に散見する併病
- 宋版傷寒論48条
-
二陽併病 太陽初得病時 發其汗 汗先出不徹 因轉屬陽明 續自微汗出 不惡寒
若太陽病證不罷者 不可下 下之爲逆 如此可小發汗
設面色縁縁正赤者 陽氣怫鬱在表 當解之熏之
若發汗不徹 不足言陽氣怫鬱不得越 當汗不汗 其人躁煩 不知痛處 乍在腹中 乍在四肢 按之不可得 其人短氣但坐 以汗出不徹故也 更發汗則愈 何以知汗出不徹 以脉濇故知也二陽の併病。太陽初め病を得し時、其の汗を発す。汗先ず出づるも徹せず。因って陽明に転属す。續いて自ら微かに汗出、惡寒せず。
若し太陽病證罷まざる者、下す可からず。これを下すを逆と爲す。此の如きときは小しく汗を發す可し。
設し面色縁縁として正赤の者、陽氣怫鬱として表に在り。當にこれを解するにこれを熏ずべし。
若し汗を發して徹せず、言うに足らず、陽氣怫鬱として越するを得ず。當に汗すべくして汗せず。其の人躁煩して痛む處を知らず。乍ち腹中に在り。乍ち四肢に在り。これを按ずるも得べ可らず。其の人短氣し、但だ坐す。汗出づること徹せざるを以っての故也。更に發汗すれば則ち愈ゆ。何を以って汗出づること徹せざるを知るか。脉濇なるを以っての故に知る也。 - 宋版傷寒論142条
-
太陽與少陽併病
頭項強痛 或眩冒 時如結胸 心下痞鞕者 當刺大椎第一間 肺兪肝兪
愼不可發汗 發汗則讝語
脉弦 五日讝語不止 當刺期門 八太陽と少陽の併病。
頭項強ばり痛み、或は眩冒し、時には結胸の如く、心下痞鞕する者は、當に大椎第一の間、肺愈、肝兪を刺すべし。
愼んで汗を発す可らず。汗を発すれば則ち讝語す。
脉弦にして、五日讝語止まざれば當に期門を刺すべし。(八) - 宋版傷寒論150条
-
太陽少陽併病 而反下之 成結胸 心下鞕 下利不止 水漿不下 其人心煩
太陽と少陽の併病。而るに反ってこれを下し、結胸を為す。心下鞕く、下利止まず、水漿下らず、其の人心煩す。
- 宋版傷寒論171条
-
太陽少陽併病 心下鞕 頸項強而眩者 當刺大椎肺兪肝兪 愼勿下之 三十三
太陽と少陽の併病にして、心下鞕く、頸項強ばって眩する者は、當に大椎、肺兪、肝兪を刺すべし。愼しんでこれを下すこと勿れ。(三十三)
- 宋版傷寒論220条
-
二陽併病
太陽證罷 但發潮熱 手足漐漐汗出 大便難而讝語者 下之則愈 宜大承氣湯 十 用前第二方二陽の併病。
太陽の證罷み、但だ潮熱を発し、手足漐漐として汗出で、大便難くして、讝語する者、これを下せば則ち愈ゆ。大承氣湯に宜し。(十 前の第二方を用う)
合病を含む条文古典に散見する合病
- 宋版傷寒論32条
康治版傷寒論13条 -
太陽與陽明合病者
必自下利 葛根湯主之 方二 用前第一方 一云用後第四方太陽と陽明合病の者は
必ず自ら下利す。葛根湯これを主る。(方二 前の第一方を用う 一に云う、後の第四の方を用うと) - 宋版傷寒論33条
康治版傷寒論14条 -
太陽與陽明合病
不下利但嘔者 葛根加半夏湯主之 方三太陽と陽明の合病。
下利せず、但だ嘔する者は葛根加半夏湯これを主る。(方三)葛根加半夏湯方
葛根四兩 麻黄三兩 去節 甘草二兩 炙 芍藥二兩 桂枝二兩 去皮 生薑二兩 切 半夏半升 洗 大棗十二枚 擘
右八味 以水一斗 先煮葛根麻黄 減二升 去白沫 内諸藥 煮取三升 去滓 温服一升 覆取微似汗 - 宋版傷寒論36条
-
太陽與陽明合病
喘而胸滿者 不可下 宜麻黄湯 六 用前第五方太陽と陽明の合病。
喘して胸滿る者は下す可からず。麻黄湯に宜し。(六 前の第五の方を用う) - 宋版傷寒論172条
康治版傷寒論40条 -
太陽與少陽合病 自下利者 與黄芩湯
若嘔者 黄芩加半夏生薑湯主之 三十四太陽と少陽合病にて、自ら下利する者は黄芩湯を與う。
若し嘔する者、黄芩加半夏生薑湯これを主る。(三十四)黄芩湯方
黄芩三兩 芍藥二兩 甘草二兩 炙 大棗十二枚 擘
右四味 以水一斗 煮取三升 去滓 温服一升 日再夜一服黄芩加半夏生薑湯方
黄芩三兩 芍藥二兩 甘草二兩 炙 大棗十二枚 擘 半夏半升 洗 生薑一兩半 一方 三兩 切
右六味 以水一斗 煮取三升 去滓 温服一升 日再夜一服 - 宋版傷寒論219条
-
三陽合病
腹滿 身重 難以轉側 口不仁面垢 讝語遺尿 發汗則讝語
下之則額上生汗 手足逆冷 若自汗出者 白虎湯主之 方九三陽の合病。
腹滿し、身重く、以って轉側し難し。口不仁にして、面垢づき、讝語し、遺尿す。汗を発すれば則ち讝語す。
これを下せば則ち、額の上に汗を生じ、手足逆冷す。若し自汗出る者は白虎湯これを主る。(方九)白虎湯方
知母六兩 石膏一斤 碎 甘草二兩 炙 粳米六合
右四味 以水一斗 煮米熟 湯成去滓 温服一升 日三服 - 宋版傷寒論256条
-
陽明少陽合病 必下利
其脉不負者 爲順也 負者 失也 互相剋賊 名爲負也
脉滑而數者 有宿食也 當下之 宜大承氣湯 四十 用前第二方陽明と少陽の合病、必ず下利。
其の脉負ならざる者、順と為す也。負者失也。互いに相い剋賊するを名づけて負と為す也。
脉滑にして數の者、宿食有り也。當にこれを下すべし。大承氣湯に宜し。(四十 前の第二方を用う) - 宋版傷寒論268条
-
三陽合病
脉浮大 上關上 但欲眠睡 目合則汗三陽の合病。
脉浮大。關上に上る。但だ眠睡せんと欲す。目合するときは則ち汗す。