心下痞とは現代的に考えると、心下痞とは何なのか?
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心下痞を含む条文古典に散見する心下痞
- 宋版傷寒論142条
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太陽與少陽併病
頭項強痛 或眩冒 時如結胸 心下痞鞕者 當刺大椎第一間 肺兪肝兪
愼不可發汗 發汗則讝語
脉弦 五日讝語不止 當刺期門 八太陽と少陽の併病。
頭項強ばり痛み、或は眩冒し、時には結胸の如く、心下痞鞕する者は、當に大椎第一の間、肺愈、肝兪を刺すべし。
愼んで汗を発す可らず。汗を発すれば則ち讝語す。
脉弦にして、五日讝語止まざれば當に期門を刺すべし。(八) - 宋版傷寒論152条
康治版傷寒論36条 -
太陽中風 下利嘔逆 表解者 乃可攻之 其人漐漐汗出 發作有時 頭痛 心下痞鞕滿 引脇下痛 乾嘔短氣 汗出不惡寒者 此表解裏未和也 十棗湯主之 方十六
太陽の中風。下利。嘔逆す。表解する者は乃ちこれを攻むべし。其の人漐漐として汗出で、發作時有り。頭痛し、心下痞鞕し滿ち、脇下に引いて痛み、乾嘔し、短氣す。汗出でて惡寒せざる者は此れ表解し、裏未だ和せざる也。十棗湯これを主る。(方十六)
十棗湯方
芫花熬 甘遂 大戟
右三味等分 各別擣爲散 以水一升半 先煮大棗肥者十枚 取八合 去滓 内藥末 強人服一錢匕 羸人服半錢 温服之 平旦服 若下少病不除者 明日更服 加半錢 得快下利後 糜粥自養 - 宋版傷寒論153条
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太陽病
醫發汗 遂發熱惡寒
因復下之 心下痞
表裏倶虚 陰陽氣並竭 無陽則陰獨
復加燒鍼 因胸煩
面色青黄 膚瞤者 難治
今色微黄 手足温者 易愈太陽病。
醫が汗を発し、遂に發熱、惡寒す。
因って復たこれを下して心下痞す。
表裏倶に虚し、陰陽の氣並びに竭く。陽無ときは則ち陰獨りなり。
復た燒き鍼を加え、因って胸煩す。面の色青黄にして、膚瞤る者は治し難し。
今、色微しく黄ばみ、手足温かなる者は愈え易し。 - 宋版傷寒論154条
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心下痞 按之濡 其脉關上浮者 大黄黄連瀉心湯主之 方十七
心下痞え、これを按ずるに濡。其の脉關上浮なる者は大黄黄連瀉心湯これを主る。(方十七)
大黄黄連瀉心湯方
大黄二兩 黄連一兩
右二味 以麻沸湯二升漬之 須臾絞去滓 分温再服 - 宋版傷寒論155条
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心下痞 而復惡寒汗出者 附子瀉心湯主之 方十八
心下痞す。而るに復た惡寒し、汗出づる者は附子瀉心湯これを主る。
附子瀉心湯方
大黄二兩 黄連一兩 黄芩一兩 附子一枚 炮 去皮破 別煮取汁
右四味 切三味 以麻沸湯二升漬之 須臾絞去滓 内附子汁 分温再服 - 宋版傷寒論156条
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本以下之 故心下痞
與瀉心湯 痞不解 其人渇而口燥煩
小便不利者 五苓散主之 十九 一方云 忍之一日乃愈 用前大七證方本とこれを下すを以っての故に、心下痞す。
瀉心湯を與うるも痞、解せず。其の人渇して口燥き煩す。
小便利せざる者は五苓散これを主る。(十九 一方に云う、これを忍ぶこと一日にして乃ち愈ゆ、と。前の第七證方を用う) - 宋版傷寒論157条
康治版傷寒論37条 -
傷寒
汗出解之後 胃中不和 心下痞鞕 乾噫食臭 脇下有水氣 腹中雷鳴下利者 生薑瀉心湯主之 方二十傷寒。
汗出でて解する後、胃中和せず、心下痞鞕し、乾噫、食臭あり。脇の下に水気有り。腹中に雷鳴し、下利する者は生薑瀉心湯これを主る。(方二十)生薑瀉心湯方
生薑四兩 切 甘草三兩 炙 人參三兩 乾薑一兩 黄芩三兩 半夏半升 洗 黄連一兩 大棗十二枚 擘
右八味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服
附子瀉心湯 本云 加附子 半夏瀉心湯 甘草瀉心湯 同體別名耳 生薑瀉心湯 本云 理中人參黄芩湯 去桂枝朮 加黄連 并瀉肝法 - 宋版傷寒論158条
康治版傷寒論37条 -
傷寒中風
醫反下之 其人下利日數十行
穀不化 腹中雷鳴 心下痞鞕而滿 乾嘔心煩不得安
醫見心下痞 謂病不盡 復下之 其痞益甚
此非結熱 但以胃中虚 客氣上逆 故使鞕也 甘草瀉心湯主之 方二十一傷寒、中風。
醫が反ってこれを下す。其の人下利し、日に數十行。
穀化せず、腹中雷鳴す。心下痞鞕して滿ち、乾嘔す。心煩し、安きを得ず。
醫は心下痞を見て病盡きずといい、復たこれを下し、其の痞益益甚だし。
此れ結熱に非ず。但だ胃中虚し、客氣上逆するを以っての故に鞕からしむ也。甘草瀉心湯これを主る。(方二十一)甘草瀉心湯方
甘草四兩 炙 黄芩三兩 乾薑三兩 半夏半升 洗 大棗十二枚 擘 黄連一兩
右六味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服 - 宋版傷寒論159条
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傷寒
服湯藥 下利不止 心下痞鞕 服瀉心湯已 復以他藥下之 利不止
醫以理中與之 利益甚 理中者 理中焦 此利在下焦 赤石脂禹餘粮湯主之
復不止者 當利其小便 赤石脂禹餘粮湯 方二十二傷寒。
湯藥を服し、下利止まず、心下痞鞕す。瀉心湯を服し已って復た他藥を以ってこれを下し、利止まず。
醫が理中を以ってこれに與うるも、利は益益甚だし。理中は中焦を利す。此の利は下焦に在り。赤石脂禹餘粮湯これを主る。
復た止まざる者は當に其の小便を利すべし。赤石脂禹餘粮湯(方二十二)赤石脂禹餘粮湯方
赤石脂一斤 碎 太一禹餘粮一斤 碎
右二味 以水六升 煮取二升 去滓 分温三服 - 宋版傷寒論160条
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傷寒
吐下後 發汗 虚煩 脉甚微
八九日心下痞鞕 脇下痛 氣上衝咽喉 眩冒 經脉動惕者 久而成痿傷寒。
吐下の後、汗を発す。虚煩して、脉甚だ微。
八九日して心下痞鞕し、脇下痛む。氣上って咽喉を衝き、眩冒す。經脉動惕する者は久しくして痿と成る。 - 宋版傷寒論161条
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傷寒發汗 若吐若下 解後心下痞鞕 噫氣不除者 旋復代赭湯主之 方二十三
傷寒。汗を発し、若しくは吐かせ、若しくは下して解せる後、心下痞鞕し、噫氣の除かれざる者は旋復代赭湯これを主る。(方二十三)
旋復代赭湯方
旋復花三兩 人參二兩 生薑五兩 代赭一兩 甘草三兩 炙 半夏半升 洗 大棗十二枚 擘
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服 - 宋版傷寒論163条
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太陽病
外證未除 而數下之 遂恊熱而利
利下不止 心下痞鞕 表裏不解者 桂枝人參湯主之 方二十五太陽病。
外證未だ除かざるに、數數これを下し、遂に恊熱して利す。
利下止まず、心下痞鞕す。表裏解せざる者、桂枝人參湯これを主る。(方二十五)桂枝人參湯方
桂枝四兩 別切 甘草四兩 炙 白朮三兩 人參三兩 乾薑三兩
右五味 以水九升 先煮四味 取五升 内桂 更煮取三升 去滓 温服一升 日再夜一服 - 宋版傷寒論164条
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傷寒大下後 復發汗 心下痞
惡寒者 表未解也 不可攻痞 當先解表
表解乃可攻痞 解表宜桂枝湯 攻痞宜大黄黄連瀉心湯 二十六 瀉心湯用前第十七方傷寒。大いに下せし後、復た汗を發し、心下痞す。
惡寒する者は表未だ解せざる也。痞を攻む可からず。當に先ず表を解すべし。表を解せば乃ち痞を攻む可し。
表を解するには桂枝湯に宜し。痞を攻めるには大黄黄連瀉心湯に宜し。(二十六 瀉心湯は前の第十七の方を用いる) - 宋版傷寒論244条
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太陽病 寸緩關浮尺弱 其人發熱汗出 復惡寒 不嘔 但心下痞者 此以醫下之也 如其不下者 病人不惡寒而渇者 此轉屬陽明也 小便數者 大便必鞕 不更衣十日 無所苦也 渇欲飮水 少少與之 但以法救之 渇者 宜五苓散 方三十
太陽病。寸緩、關浮、尺弱。其の人、發熱し、汗出で、復た惡寒す。嘔せず、但だ心下痞する者は、此れ、醫がこれを下すを以ってなり。如し其の下さざりし者、病人惡寒せずして渇する者は、此れ陽明に轉屬也。小便數の者は、必ず大便鞕し、更衣せざること十日なるも苦しむ所無なきなり。渇して水を飲まんと欲するときは、少少これを與う。但だ法を以ってこれを救う。渇する者は五苓散に宜し。(方三十)
五苓散方
猪苓去皮 白朮 茯苓各十八銖 澤瀉一兩六銖 桂枝半兩 去皮
右五味 爲散 白飮和 服方寸匕 日三服 - 金匱要略12-24条
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膈間支飮 其人喘滿 心下痞堅 面色黧黒 其脉沈緊 得之數十日 醫吐下之不愈 木防已湯主之 虚者則愈 實者三日復發
復與不愈者 宜木防已湯去石膏加茯苓芒消湯主之膈間の支飮は其の人喘滿し、心下痞堅にして面色黧黒なり。其の脉は沈緊なり。これを得て數十日、醫これを吐下して愈えざるは木防已湯これを主る。虚なる者は則ち愈ゆ。實なる者、三日にして復た發す。
復た與えて愈えざる者は宜しく木防已湯去石膏加茯苓芒消湯これを主る。木防已湯方
木防已三兩 石膏十二枚 雞子大 桂枝二兩 人參四兩
右四味 以水六升 煮取二升 分温再服木防已湯去石膏加茯苓芒消湯方
木防已 桂枝各二兩 人參 芒消三合 茯苓各四兩
右五味 以水六升 煮取二升 去滓 内芒消 再微煎 分温再服 微利則愈 - 金匱要略12-30条
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卒嘔吐 心下痞 膈間有水 眩悸者 半夏加茯苓湯主之
卒に嘔吐し、心下痞するは膈間に水有り。眩悸する者は半夏加茯苓湯これを主る。
小半夏加茯苓湯方
半夏一升 生薑半斤 茯苓三兩 一法四兩
右三味 以水七升 煮取一升五合 分温再服 - 金匱要略17-10条
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嘔而腸鳴 心下痞者 半夏瀉心湯主之
嘔して腸鳴し、心下痞する者は半夏瀉心湯これを主る。
半夏瀉心湯方
半夏半升 洗 黄芩 乾薑 人參各三兩 黄連一兩 大棗十二枚 甘草三兩 炙
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煮取三升 温服一升 日三服