傷寒論 辨陽明病脉證并治第8-205条

原文

陽明病 心下鞕滿者 不可攻之 攻之利遂不止者死 利止者愈

陽明病。心下鞕滿の者はこれを攻むべからず。これを攻めて利遂に止まざる者、死す。利止む者、愈ゆ。

条文解説条文を細かく解釈してみよう

陽明病胃腸障害(消化機能低下)と考えている。

心下鞕滿者 不可攻之胃腸障害(消化機能低下)による「心下鞕滿」には胃潰瘍、胃がん、幽門筋狭窄などが考えられる。食道アカラシアも考えられるだろうか。門脈圧亢進、腸閉塞も考えられるが、門脈圧亢進、腸閉塞それぞれに見られる他の症状が見られないため、除外していいだろう。心下満であれば肝脾腫を考えるが、心下「鞕」満である点に注意したい。

攻之利遂不止者死下痢が止まらない場合(脱水、炎症から起こる壊死、腸穿孔など)は手の施しようがない。死ぬ。

利止者愈下痢が止まるなら、癒える。