傷寒論 辨厥陰病脉證治第12-374条

原文

下利讝語者 有燥屎也 宜小承氣湯 方十五

下利して讝語する者は、燥屎有る也。小承氣湯に宜し。(方十五)

小承氣湯方

大黄四兩 酒洗 枳實三枚 炙 厚朴二兩 去皮 炙
右三味 以水四升 取煮一升二合 去滓 分二服 初一服讝語止 若更衣者 停後服 不爾盡服之

エキス剤無

小承気湯

小承気湯の飲み方

  • 小承気湯掲載条文傷寒論:208条209条213条214条250条251条374条、金匱要略:17-41条(傷寒論374条と同文)・17-48条
  • 傷寒論208~250条:枳実大3枚、厚朴(皮を除いて炙る)、大黄(酒で洗う)
  • 傷寒論374条:枳実3枚、厚朴(皮を除いて炙る)、大黄(酒で洗う)
  • 金匱要略:枳実大3枚、厚朴(炙る)、大黄

条文解説条文を細かく解釈してみよう

下利讝語者 有燥屎也下痢をして、うわごとを言う場合は、腹に燥屎(乾いて硬い便)がある。うわごとを言うのは脳症のためだろう(原因はわからない。感染症によるものか、腎障害、肺機能障害、心機能障害なども考えられる)。酸素欠乏や代謝障害により便秘(?)。糖尿病かもしれない。

宜小承氣湯アシドーシス(下痢による)と便があるのはわかっているので、対症療法的に小承気湯を試してみる。排便させたいのだろうが、何故、大承気湯ではなく小承気湯なのか、この条文だけではわからない。

考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?

??

  • 厚朴:肺機能や心機能障害の可能性もあるので、気管支を広げる。もちろん麻黄は不可。
  • 甘草を配合しない:腎機能障害の可能性もある。
  • 芒硝を配合しない:消化管内に水を分泌したくない。あるいは高Naなのか。

中国伝統医学ではこう考えた
日本漢方ではこう考えた