原文
下利讝語者 有燥屎也 宜小承氣湯 方十五
下利して讝語する者は、燥屎有る也。小承氣湯に宜し。(方十五)
小承氣湯方
大黄四兩 酒洗 枳實三枚 炙 厚朴二兩 去皮 炙
右三味 以水四升 取煮一升二合 去滓 分二服 初一服讝語止 若更衣者 停後服 不爾盡服之
- 小承気湯掲載条文傷寒論:208条・209条・213条・214条・250条・251条・374条、金匱要略:17-41条(傷寒論374条と同文)・17-48条
- 傷寒論208~250条:枳実大3枚、厚朴(皮を除いて炙る)、大黄(酒で洗う)
- 傷寒論374条:枳実3枚、厚朴(皮を除いて炙る)、大黄(酒で洗う)
- 金匱要略:枳実大3枚、厚朴(炙る)、大黄
条文解説条文を細かく解釈してみよう
下利讝語者 有燥屎也下痢をして、うわごとを言う場合は、腹に燥屎(乾いて硬い便)がある。うわごとを言うのは脳症のためだろう(原因はわからない。感染症によるものか、腎障害、肺機能障害、心機能障害なども考えられる)。酸素欠乏や代謝障害により便秘(?)。糖尿病かもしれない。
宜小承氣湯アシドーシス(下痢による)と便があるのはわかっているので、対症療法的に小承気湯を試してみる。排便させたいのだろうが、何故、大承気湯ではなく小承気湯なのか、この条文だけではわからない。
考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?
??
- 厚朴:肺機能や心機能障害の可能性もあるので、気管支を広げる。もちろん麻黄は不可。
- 甘草を配合しない:腎機能障害の可能性もある。
- 芒硝を配合しない:消化管内に水を分泌したくない。あるいは高Naなのか。
中国伝統医学ではこう考えた
日本漢方ではこう考えた