原文
問曰 人病有宿食 何以別之
師曰 寸口脉浮而大 按之反濇 尺中亦微而濇 故知有宿食 大承氣湯主之
問うて曰く、人、宿食有るを病む。何を以ってこれを別つか。
師曰く、寸口脉浮で大。これを按ずるに反って濇。尺中亦微にして濇。故に宿食有るを知る。大承氣湯これを主る。
大承気湯方
- 大承気湯掲載条文傷寒論208条・209条・212条・215条・217条・220条・238条・240条・241条・242条・251条・252条・253条・254条・255条・256条・320条・321条・322条、金匱要略2-14条・10-13条(傷寒論255条と同文だが飲み方が違う)・10-24条・10-25条・10-26条・17-37条・17-38条・17-39条・17-40条・21-3条・21-7条
- 傷寒論、金匱要略2-14条:芒硝を入れる前に滓を除く
- 金匱要略10-13条:芒硝を入れる前に滓を除かない
条文解説条文を細かく解釈してみよう
問曰 人病有宿食 何以別之消化管内に便が溜まっているかどうかを、どう判断したらよいか。
師曰 寸口脉浮而大 按之反濇 尺中亦微而濇 故知有宿食 大承氣湯主之寸口の脈を診ると、交感神経興奮(浮)、酸欠気味(大)の脈で、押すとドロドロ(濇)としている。尺中の脈を診ると、循環血液量が少なく(微)、ドロドロ(濇)としている。血中の水分が少ない=腸から水分が吸収できていない=水分のない硬い便がある(便秘)と判断している。大承気湯で排便させる(「主」なので確信を持った処方である)。
考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?
???
- 便は何かと溜まる。
- 糖尿病の可能性もなくはないが、趺陽脉を言わないので違うのだろう。脱水の原因はわからない。