傷寒論 辨太陽病脉證并治中第6-105条

原文

傷寒十三日 過經
讝語者 以有熱也 當以湯下之 
若小便利者 大便當鞕 而反下利 脉調和者 知醫以丸藥下之 非其治也 
若自下利者 脉當微厥 今反和者 此爲内實也 調胃承氣湯主之 五十五 用前第三十三方

傷寒、十三日過經。
讝語する者は熱有るを以って也。當に湯を以ってこれを下すべし。
若し小便利する者、大便當に鞕かるべし。而るに反って下利し、脉の調和する者は醫が丸藥を以ってこれを下せしを知る。其の治非ざる也。
若し自ら下利する者、脉は當に微厥なるべし。今反って和する者は此れを内實と為す也。調胃承氣湯これを主る。(五十五 前の第三十三の方を用う)

調胃承気湯方

エキス剤有

調胃承気湯

  • 調胃承気湯掲載条文傷寒論29条30条70条94条105条123条207条248条249条
  • 傷寒論29条:大黄(皮を除き、酒で洗う)、滓を除いて芒硝を入れる
  • 傷寒論70~123条:大黄(皮を除き、酒で洗う)、滓を除かず芒硝を入れる、頓服指示
  • 傷寒論207~249条:全生薬を切る、大黄(酒で洗う)、滓を除いて芒硝を入れる、頓服指示
  • 参考:傷寒論123条(こちらは太陽病である)

条文解説条文を細かく解釈してみよう

傷寒十三日 過經真菌感染から十三日経過。

讝語者 以有熱也 當以湯下之うわごとを言い、発熱がある。真菌による脳炎・脳症と思われる。消化管内の真菌を排出するために排便させたいのだろう。

若小便利者 大便當鞕中国伝統医学では、多尿の場合、大便は硬いと考えていた。多尿は脳炎・脳症、あるいは電解質異常(低K、高Caなど)によるものか。

而反下利 脉調和者 知醫以丸藥下之 非其治也本来大便は硬いはずなのに、下痢になり、脈が調和している。これは前の医者が丸薬で排便させたためである。下痢をしているにも関わらず脈が調和しているのは体液量正常の低ナトリウム血症だろうか。この場合、脳症によるSIADHが起こったものと考えられる。

若自下利者 脉當微厥瀉下薬を使用せず、自然に下痢をしてしまった場合なら、脈に異常があるはずである。

今反和者 此爲内實也 調胃承氣湯主之調胃承気湯で低ナトリウム血症を改善し、消化管の真菌を排出する。

考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?

原因菌はカンジダの可能性が高い

???

中国伝統医学ではこう考えた
日本漢方ではこう考えた