太陽病、未だ解せず。
脉陰陽倶停なるは必ず先ず振慄し汗出でて解す。
但だ陽脉のみ微なる者は先ず汗出でて解す。
但だ陰脉のみ微なる者はこれを下して解す。
若しこれを下さん欲するときは調胃承氣湯に宜し。(四十六 前の第三十三の方を用う 一に云う大柴胡湯を用う、と)
調胃承気湯方
- 調胃承気湯掲載条文傷寒論29条・30条・70条・94条・105条・123条・207条・248条・249条
- 傷寒論29条:大黄(皮を除き、酒で洗う)、滓を除いて芒硝を入れる
- 傷寒論70~123条:大黄(皮を除き、酒で洗う)、滓を除かず芒硝を入れる、頓服指示
- 傷寒論207~249条:全生薬を切る、大黄(酒で洗う)、滓を除いて芒硝を入れる、頓服指示
大柴胡湯方
条文解説条文を細かく解釈してみよう
太陽病未解細菌感染、未回復。
脉陰陽倶停止まりそうなくらい弱弱しい脈、あるいは不整脈。
必先振慄汗出而解戦慄することができて体温上昇、発汗することができるようになれば回復。
但陽脉微者 先汗出而解「陽脉微」は循環血液量減少。発汗することができるようになるほど循環血液量が回復すれば癒える。
但陰脉微者 下之而解陰脈は裏証の脈と考えている。「陰脉微」は消化管に血流がないということになる。消化管を刺激し、蠕動を起こせば、消化管への血流が回復する。
若欲下之 宜調胃承氣湯消化管を刺激し、消化管運動低下の改善する方剤として調胃承気湯を試してみる。
一云用大柴胡湯肝機能障害があれば大柴胡湯を処方する、ということである。
考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?
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辨脉法11問うて曰く、病には戰(慄)して汗出で、因って解を得る者有るは何ぞや。荅えて曰く、脉浮にして緊 これを按ずるに反って芤。此れ本と虚と為す。故に當に戰して汗出づるべき也。其の人本と虚。是を以って戦を發す。脉浮を以て故に當に汗出でて解すべき也。若し脉浮にして數。之を按ずるも芤ならざれば此の人は本と虚ならず。若し自ら解せんと欲するときは但だ汗出づるのみにして戰は発せざる也。
辨脉法12問うて曰く、病に戰せずして汗出でて解する者有るは何ぞや。荅えて曰く、脉大にして浮數。故に戰せずして汗出でて解するを知る也。
辨脉法13問うて曰く、病には戰せず汗出でずして解する者は何ぞや。荅えて曰く、其の脉自ら微。此れ曾て發汗し、若しくは吐き、若しくは下し、若しくは亡血せしを以て内に津液無きを以てなり。此れ陰陽自ら和すれば必ず自ら愈ゆ。故に戰せず汗出でずして解するなり。
日本漢方ではこう考えた