衄とは現代的に考えると、衄とは何なのか?
鼻血・鼻出血
- 様々な理由があります。 →鼻血・鼻出血
衄を含む条文古典に散見する結胸
- 宋版傷寒論1-26条
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趺陽脉浮 浮則爲虚 浮虚相搏 故令氣籌 言胃氣虚竭也
脉滑則爲噦 此爲醫咎 責虚取實 守空迫血 脉浮 鼻中燥者 必衄也趺陽の脉浮、浮は則ち虚と爲す。浮虚相搏つ、故に氣をして籌ばましむ。胃氣の虚竭を言うなり。
脉滑なるときは則ち噦を爲す。此れ醫の咎と爲す。虚を責め、實を取り、空を守り、血に迫る。脉浮にして鼻の中の燥く者は必ず衄す。 - 宋版傷寒論46条
- 太陽病 脉浮緊 無汗發熱 身疼痛 八九日不解 表證仍在 此當發其汗 服藥已微除 其人發煩目瞑 劇者必衄 衄乃解 所以然者 陽氣重故也 麻黄湯主之 十六 用前第五方
太陽病。脉浮緊。汗無く、發熱し、身疼痛し。八九日解せず。表證仍在り。此れ當に其の汗を発す可し。薬を服し已って微しく除かる。其の人、煩を発し目瞑す。劇しき者は必ず衄す。衄すれば乃ち解す。然る所以の者は陽氣重きが故也。麻黄湯これを主る。(十六 前の第五の方を用う)
- 宋版傷寒論47条
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太陽病 脉浮緊 發熱身無汗自衄者愈
太陽病。脈浮緊。発熱して、身に汗無し。自ら衄する者は愈ゆ。
- 宋版傷寒論55条
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傷寒脉浮緊 不發汗 因致衄者 麻黄湯主之 二十一 用前第五方
傷寒。脉浮緊。汗を発せず、因って衄を致す者は麻黄湯これを主る。(二十一 前の第五の方を用う)
- 宋版傷寒論56条
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傷寒 不大便六七日 頭痛有熱者 與承氣湯 其小便清者 知不在裏 仍在表也 當須發汗 若頭痛者必衄 宜桂枝湯 二十二 用前第十二方
傷寒、大便せざること六七日。頭痛み熱有る者は承氣湯を與う。其の小便清き者は裏に在らず、仍表に在るを知る也。當に須らく汗を発すべし。若し頭痛する者は必ず衄す。桂枝湯に宜し。(二十二 前の第十二の方を用う)
- 宋版傷寒論86条
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衄家 不可發汗 汗出必額上陷 脉急緊 直視不能眴不得眠
衄家は汗を発す可らず。汗を発すれば必ず額の上陷り、脉急緊となり、直視し、眴くこと能わず、眠ることを得ず。
- 宋版傷寒論111条
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太陽病中風 以火劫發汗 邪風被火熱 血氣流溢 失其常度 兩陽相熏灼 其身發黄 陽盛則欲衄 陰虚小便難 陰陽倶虚竭 身體則枯燥 但頭汗出 劑頸而還 腹滿微喘 口乾咽爛 或不大便 久則讝語 甚者至噦 手足躁擾 捻衣摸床 小便利者 其人可治
太陽病、中風。火を以って劫して發汗す。邪風火熱を被って、血氣流れ溢れて其の常度を失す。兩陽相い熏灼し、其の身黄を發す。陽盛んなるときは則ち衄せんと欲し、陰虚すれば小便難し。陰陽倶に虚竭すれば身體は則ち枯燥す。但だ頭汗のみ出で、頸を劑りて還る。腹滿、微喘、口乾き、咽爛れ、或は大便せず、久しければ則ち讝語す。甚だしき者は噦し、手足躁擾し、捻衣を捻り床を摸るに至る。小便利する者は其人治す可し。
- 宋版傷寒論202条
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陽明病 口燥但欲漱水 不欲嚥者 此必衄
陽明病。口燥き、但だ水を漱がんと欲し。嚥むことを欲せざる者は此れ必ず衄す。
- 宋版傷寒論227条
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脉浮發熱 口乾鼻燥 能食者 則衄
脉浮にして發熱し、乾き、鼻燥き、能く食する者は、則ち衄す。
- 金匱要略6-5条
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男子脉虚沈弦 無寒熱 短氣裏急 小便不利 面色白 時目瞑 兼衄 少腹滿 此爲勞使之然
男子、脉虚にして沈弦。寒熱無し、短氣、裏急にして小便利せず。面の色白く、時に目瞑し、兼ねて衄す。少腹滿つ。此れ勞がこれをして然らしむると為す。
- 金匱要略6-15条
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虚勞裏急 悸 衄 腹中痛 夢失精 四肢痠疼 手足煩熱 咽乾口燥 小建中湯主之
虚勞で裏急る。悸、衄、腹中痛む。夢に失精す。四肢痠疼す。手足煩熱す。咽乾き口燥く。小建中湯これを主る。
小建中湯方
桂枝三兩 去皮 甘草三兩 炙 大棗十二枚 芍藥六兩 生薑二兩 膠飴一升
右六味 以水七升 煮取三升 去滓 内膠飴 更上微火消解 温服一升 日三服 - 金匱要略16-2条
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師曰 尺脉浮 目睛暈黄 衄未止 暈黄去 目睛慧了 知衄今止
師の曰く、夫れ脉浮にして目睛暈黄にして衄未だ止まず。暈黄去って目睛慧了たるは衄今止むことを知る。
- 金匱要略16-3条
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又曰 從春至夏衄者太陽 從秋至冬衄者陽明
又曰く、春從り夏に至る時に衄する者は太陽なり。秋從り冬に至るときに衄する者は陽明なり。
- 金匱要略16-4条
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衄家不可汗 汗出必額上陷 脉緊急 直視不能眴 不得眠
衄家は汗す可からず。汗出づれば必ず額の上陷る。脉は緊急。直視して眴く能わず。眠ることを得ず。
- 金匱要略16-5条
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病人面無血色 無寒熱 脉沈弦者衄 浮弱手按之絶者下血 煩欬者必吐血
病人面に血色無し。寒熱無し。脉沈弦の者衄なり。浮弱にして手にてこれを按じて絶える者は下血なり。
煩欬する者は必ず吐血す。 - 金匱要略16-17条
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心氣不足 吐血衄血 瀉心湯主之
心氣不足にして吐血、衄血するは瀉心湯これを主る。
瀉心湯方
亦治霍乱
大黄二兩 黄連 黄芩各一兩
右三味 以水三升 煮取一升 頓服之 - 金匱要略21-13条
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千金 内補當歸建中湯 治婦人産後 虚羸不足 腹中刺痛不止 吸吸少氣 或苦少腹中急摩痛 引腰背 不能食飮 産後一月 日得服四五劑爲善 令人強壯宜
千金の内補当帰建中湯。婦人産後。虚羸不足。腹中刺痛止まず。吸吸として少氣し、或は苦少腹中急を苦しむ。摩痛、腰背にひく。食飮すること能わざるを治す。産後一月、日に得て服四五劑を服するを善しと為す。人をして強壯ならしむに宜し。
當歸四兩 桂枝三兩 芍藥六兩 生薑三兩 甘草二兩 大棗十二枚
右六味 以水一斗 煮取三升 分温三服 一日令盡
若大虚 加飴糖六兩 湯成内之 於火上媛令飴消
若去血過多 崩傷内衄不止 加地黄六兩 阿膠二兩 合八味 湯成内阿膠
若無當歸 以芎藭代之
若無生薑 以乾薑代之