傷寒論 辨太陽病脉證并治下第7-148条

原文

傷寒五六日 
頭汗出 微惡寒 手足冷 心下滿 口不欲食 大便鞕 
脉細者 此爲陽微結 必有表 復有裏也 脉沈亦在裏也 汗出爲陽微 
假令純陰結 不得復有外證 悉入在裏 
此爲半在裏半在外也 脉雖沈緊 不得爲少陰病 所以然者 陰不得有汗 
今頭汗出 故知非少陰也 可與小柴胡湯 
設不了了者 得屎而解 十四 用前第十方

傷寒、五六日。
頭汗出で、微しく惡寒し、手足冷ゆ。心下滿ち、口は食を欲せず。大便鞕し。
脉細なる者は此れ陽微結と為す。必ず表有り。復た裏有る也。脉沈も亦た裏に在る也。汗出づるは陽微と為す。
假令純陰結ならば復た外證有ることを得ず。悉く入りて裏に在り。
此れ半ばは裏に在り、半ばは外に在りと為す。脉沈緊と雖も少陰病と為すことを得ず。然る所以の者は、陰は汗あることを得ざればなり。
今頭汗出づ。故に少陰に非ざるを知る也。小柴胡湯を與う可し。
設し了了足らざるも屎を得て解す。(十四 前の第十の方を用いる)

小柴胡湯方

エキス剤有

小柴胡湯

  • 小柴胡湯掲載条文傷寒論37条96条97条98条99条100条101条103条104条144条(金匱要略22-1条条と同文)・148条149条229条230条231条266条379条394条、金匱要略15-21条17-15条(傷寒論379条と同文)・21-2条21-12条22-1条(傷寒論144条と同文)
  • 傷寒論96条・97条・99条・100条・229条・230条・231条・266条・379条:黄芩3両、人参3両、甘草3両(炙る)、生姜3両(切る)、大棗12枚(割く)、半夏半升(洗う)
  • 傷寒論144条・148条:黄芩3両、人参3両、甘草3両、生姜3両、大棗12枚(割く)、半夏半升(洗う)
  • 傷寒論394条:黄芩2両、人参2両、甘草2両(炙る)、生姜2両、大棗10枚(割く)、半夏半升(洗う)
  • 金匱要略:黄芩3両、人参3両、甘草3両、生姜3両、大棗12枚、半夏半升

条文解説条文を細かく解釈してみよう

傷寒五六日真菌感染から5~6日。

頭汗出 微惡寒 手足冷 心下滿 口不欲食 大便鞕

此爲陽微結循環血液量低下である。

必有表 復有裏也 脉沈亦在裏也

汗出爲陽微 假令純陰結 不得復有外證 悉入在裏 此爲半在裏半在外也水分不足による便秘である。有名な半表半裏→邪(真菌)の表証で、発汗して電解質異常、脱水、酸塩基平衡異常が起こり、消化管に問題が出てきたと言っている。少陰病ではない。

脉雖沈緊 不得爲少陰病 所以然者 陰不得有汗 今頭汗出 故知非少陰也

可與小柴胡湯

設不了了者 得屎而解了了=明らかではっきりしていること。

考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?

肝障害はある