半夏瀉心湯

エキス剤有

半夏瀉心湯

生薬解説各生薬は何をしているのか

半夏【下品】消化管蠕動亢進。抗菌作用。 →半夏

黄芩【中品】腸内細菌に対する制菌。 →黄芩

乾姜【中品】TRPV1刺激によるβ2受容体刺激。 →乾姜

人参【上品】コルチゾール様作用。 →人参

甘草【上品】グリチルリチン酸、多くのフラボノイド ※腎機能に問題がない場合に限る →甘草

黄連【上品】ベルベリン(止瀉、抗菌)。胃腸を動かしたい時には使用しない。 →黄連

大棗【上品】ブドウ糖、デキストリン、ジュジュポシド →大棗

掲載条文

宋版傷寒論149条
康治版傷寒論35条

傷寒五六日 嘔而發熱者 柴胡湯證具 而以他藥下之 柴胡證仍在者 復與柴胡湯 此雖已下之 不爲逆 必蒸蒸而振 却發熱汗出而解 若心下滿而鞕痛者 此爲結胸也 大陷胸湯主之 但滿而不痛者 此爲痞 柴胡不中與之 宜半夏瀉心湯 方十五

傷寒、五六日。嘔して發熱する者は柴胡湯の證具わる。而るに他藥を以ってこれを下し、柴胡の證仍在る者は復た柴胡湯を輿う。此れ已にこれを下すと雖も逆と為さず。必ず蒸蒸として振い、却って發熱し、汗出でて解す。若し心下滿ちて鞕く痛む者は此れ結胸と為す。大陷胸湯これを主る。但だ滿ちるも痛まざる者は此れを痞と為す。柴胡はこれを与えるに中らず。半夏瀉心湯に宜し。(方十五)

半夏瀉心湯方
半夏半升 洗 黄芩 乾薑 人參 甘草炙 各三兩 黄連一兩 大棗十二枚 擘
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服 須大陷胸湯者 方用前第二法

金匱要略17-10条

嘔而腸鳴 心下痞者 半夏瀉心湯主之

嘔して腸鳴し、心下痞する者は半夏瀉心湯これを主る。 

半夏瀉心湯方
半夏半升 洗 黄芩 乾薑 人參各三兩 黄連一兩 大棗十二枚 甘草三兩 炙 
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煮取三升 温服一升 日三服

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用途半夏瀉心湯はどのような時に使用されるのか?

中医学では
日本漢方では

単純性腸閉塞

  • 人参+甘草が配合されていることから、肝機能障害があると考えられる。
  • 糖新生機能低下。
  • アルドステロン分泌機能低下。

漢方エキス剤複数社から販売されている場合は、使い分けることが可能です

ツムラ

TJ-14(顆粒)

半夏瀉心湯(ツムラ)

コタロー

N14(細粒)

半夏瀉心湯(コタロー)

クラシエ

KB-14(3.0g細粒)
EK-14(2.0g細粒)
EKT-14(錠剤)

半夏瀉心湯(クラシエ)

東洋薬行

TY-094(細粒)

半夏瀉心湯(東洋薬行)

具体的な使い分け方については別頁で解説します。