- 半夏瀉心湯掲載条文傷寒論149条、金匱要略17-10条
- 傷寒論:大棗(割く)
- 金匱要略:大棗
- →瀉心湯類の比較について
生薬解説各生薬は何をしているのか
半夏【下品】消化管蠕動亢進。抗菌作用。 →半夏
黄芩【中品】腸内細菌に対する制菌。 →黄芩
乾姜【中品】TRPV1刺激によるβ2受容体刺激。 →乾姜
人参【上品】コルチゾール様作用。 →人参
甘草【上品】グリチルリチン酸、多くのフラボノイド ※腎機能に問題がない場合に限る →甘草
黄連【上品】ベルベリン(止瀉、抗菌)。胃腸を動かしたい時には使用しない。 →黄連
大棗【上品】ブドウ糖、デキストリン、ジュジュポシド →大棗
掲載条文
- 宋版傷寒論149条
康治版傷寒論35条 -
傷寒五六日 嘔而發熱者 柴胡湯證具 而以他藥下之 柴胡證仍在者 復與柴胡湯 此雖已下之 不爲逆 必蒸蒸而振 却發熱汗出而解 若心下滿而鞕痛者 此爲結胸也 大陷胸湯主之 但滿而不痛者 此爲痞 柴胡不中與之 宜半夏瀉心湯 方十五
傷寒、五六日。嘔して發熱する者は柴胡湯の證具わる。而るに他藥を以ってこれを下し、柴胡の證仍在る者は復た柴胡湯を輿う。此れ已にこれを下すと雖も逆と為さず。必ず蒸蒸として振い、却って發熱し、汗出でて解す。若し心下滿ちて鞕く痛む者は此れ結胸と為す。大陷胸湯これを主る。但だ滿ちるも痛まざる者は此れを痞と為す。柴胡はこれを与えるに中らず。半夏瀉心湯に宜し。(方十五)
半夏瀉心湯方
半夏半升 洗 黄芩 乾薑 人參 甘草炙 各三兩 黄連一兩 大棗十二枚 擘
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服 須大陷胸湯者 方用前第二法 - 金匱要略17-10条
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嘔而腸鳴 心下痞者 半夏瀉心湯主之
嘔して腸鳴し、心下痞する者は半夏瀉心湯これを主る。
半夏瀉心湯方
半夏半升 洗 黄芩 乾薑 人參各三兩 黄連一兩 大棗十二枚 甘草三兩 炙
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煮取三升 温服一升 日三服
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用途半夏瀉心湯はどのような時に使用されるのか?
中医学では
日本漢方では
単純性腸閉塞
- 人参+甘草が配合されていることから、肝機能障害があると考えられる。
- 糖新生機能低下。
- アルドステロン分泌機能低下。
漢方エキス剤複数社から販売されている場合は、使い分けることが可能です
ツムラ
TJ-14(顆粒)
コタロー
N14(細粒)
クラシエ
KB-14(3.0g細粒)
EK-14(2.0g細粒)
EKT-14(錠剤)
東洋薬行
TY-094(細粒)
具体的な使い分け方については別頁で解説します。