本とこれを下すを以っての故に、心下痞す。
瀉心湯を與うるも痞、解せず。其の人渇して口燥き煩す。
小便利せざる者は五苓散これを主る。(十九 一方に云う、これを忍ぶこと一日にして乃ち愈ゆ、と。前の第七證方を用う)
瀉心湯方
- 瀉心湯掲載条文傷寒論156条、金匱要略16-17条・22-7条
- →瀉心湯類の比較について
五苓散方
- 五苓散掲載条文傷寒論71条・72条・73条・74条・141条・156条・244条・386条、金匱要略12-31条・13-4条・13-5条(傷寒論74条とほぼ同文 )
- 傷寒論71条・72条・74条・386条:猪苓18銖(皮を除く)、沢瀉1両18銖、朮18銖、茯苓18銖、桂枝0.5両(皮を除く)、服用後に温かい水をたくさん飲む
- 傷寒論141条・156条:猪苓18銖(黒い皮を除く)、沢瀉1両18銖、朮18銖、茯苓18銖、桂枝0.5両(皮を除く)、服用後に温かい水をたくさん飲む
- 傷寒論244条:猪苓18銖(皮を除く)、沢瀉1両18銖、朮18銖、茯苓18銖、桂枝0.5両(皮を除く)
- 金匱要略:猪苓3分(皮を除く)、沢瀉1両1分、朮3分、茯苓3分、桂枝2分(皮を除く)、服用後に温かい水をたくさん飲む
条文解説条文を細かく解釈してみよう
本以下之 故心下痞 與瀉心湯瀉下により低Kからの麻痺性イレウスによる痞え。
痞不解 其人渇而口燥煩 小便不利者 五苓散主之瀉下による脱水、電解質異常。口喝があることから、高Na、低K、高Caが考えられる。多尿ではないので、高Naであろう。五苓散が適応である。
一方云 忍之一日乃愈
考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?
代償機構が働く