太陽病、
十日以て去り、脉浮細にして臥を嗜む者は、外已に解する也。
設し、胸滿ち、脇痛む者は小柴胡湯を與う。
脉但だ浮なる者は麻黄湯を與う。(七 前の第五の方を用う)
小柴胡湯方
- 小柴胡湯掲載条文傷寒論37条・96条・97条・98条・99条・100条・101条・103条・104条・144条(金匱要略22-1条条と同文)・148条・149条・229条・230条・231条・266条・379条・394条、金匱要略15-21条・17-15条(傷寒論379条と同文)・21-2条・21-12条・22-1条(傷寒論144条と同文)
- 傷寒論96条・97条・99条・100条・229条・230条・231条・266条・379条:黄芩3両、人参3両、甘草3両(炙る)、生姜3両(切る)、大棗12枚(割く)、半夏半升(洗う)
- 傷寒論144条・148条:黄芩3両、人参3両、甘草3両、生姜3両、大棗12枚(割く)、半夏半升(洗う)
- 傷寒論394条:黄芩2両、人参2両、甘草2両(炙る)、生姜2両、大棗10枚(割く)、半夏半升(洗う)
- 金匱要略:黄芩3両、人参3両、甘草3両、生姜3両、大棗12枚、半夏半升
麻黄湯方
条文解説条文を細かく解釈してみよう
太陽病細菌感染による中枢神経異常か。
十日以去 脉浮細而嗜臥者 外已解也発症から10日が経過し、解熱した(外已解)。横になっていたい(嗜臥)というのは、凄まじい疲労感を指すのだろう。チフスと考えられる。交感神経は興奮している(浮)が、血流は低下している(細)。
設胸滿脇痛者 與小柴胡湯チフスに見られる脾腫からの吐き気(胸満)があり、腋窩リンパ節の腫れによる痛みがあれば、チフスによる副腎機能障害を疑う。小柴胡湯を与えて様子を見る(與)。
脉但浮者 與麻黄湯副腎に問題がなく、波状的に発熱して交感神経は興奮している(浮)だけの場合は、麻黄湯を与えて様子を見る。
考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?
チフスだろう
腸チフスの熱状臨床経過
- 長期間(10日)の発熱、その後の解熱から、チフスを疑う。
- チフスの波状熱による交感神経の興奮に麻黄湯、チフスによる副腎機能障害に小柴胡湯を処方している。
中国伝統医学ではこう考えた
日本漢方ではこう考えた