傷寒論 辨陽明病脉證并治第8-232条

原文

脉但浮 無餘證者 與麻黄湯 
若不尿 腹滿加噦者 不治 麻黄湯 方十九

脉但浮。餘證無き者、麻黄湯を與う。
若し尿せず、腹滿に噦を加える者は治せず。麻黄湯。(方十九)

麻黄湯方

麻黄三兩 去節 桂枝二兩 去皮 甘草一兩 炙 杏仁七十箇 去皮尖
右四味 以水九升 煮麻黄減二升 去白沫 内諸藥 煮取二升半 去滓 温服八合 覆取微似汗

エキス剤有

麻黄湯

麻黄湯の飲み方

条文解説条文を細かく解釈してみよう

脉但浮 無餘證者 與麻黄湯交感神経興奮しているだけのものには、とりあえず麻黄湯を試してみる(與)。

若不尿 腹滿加噦者 不治肝不全、腎不全、あるいは両方の場合は治せない(また、肝障害、腎障害がある場合、麻黄湯は処方できない)。

考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?

脈浮には麻黄湯が処方される。桂枝湯が処方されている時は肝障害、腎障害を疑っているのだろう。
麻黄湯を処方しない場合
麻黄を使用すれば腎血流量が低下し、尿量は更に減少する。
肝機能障害では杏仁は配合できない。
腎機能障害では甘草は配合されない。

中国伝統医学ではこう考えた
日本漢方ではこう考えた