傷寒論 辨太陽病脉證并治中第6-39条

原文

傷寒 脉浮緩 身不疼 但重 乍有輕時
無少陰證者 大青龍湯發之 九 用前第八方

傷寒。脉浮緩。身疼かず、但だ重し。(たちまち)(かる)き時有り。
少陰の證無き者、大青龍湯にてこれを發す。(九 前の第八の方を用う)

大青竜湯方

エキス剤無

大青竜湯

  • 大青竜湯掲載条文傷寒論38条39条、金匱要略12-23条
  • 傷寒論:杏仁40枚、大棗10枚(割く)
  • 金匱要略:杏仁40箇、大棗12枚

条文解説条文を細かく解釈してみよう

傷寒真菌感染による中枢神経異常か。
傷寒論38条は「太陽中風」であったが、本条では「傷寒」である。太陽病でも中風でも傷寒でも大青龍湯は使用する。

脉浮緩傷寒の脈は陰陽共に緊とされているが(→傷寒論3条)、浮緩だという。皮膚血管が収縮している(脈浮)にも関わらず、血流はゆっくりである、もしくは締め方がキツくないということである(脈緩)。発汗後の脈だろうか。

身不疼身体痛はない。

但重倦怠感、あるいは浮腫か。

乍有輕時急に症状が軽くなる場合もある。腎の働きだろうか。

無少陰證者 大青龍湯發之少陰の証がない場合は大青竜湯でこれを発する。「主」「宜」「與」ではなく、珍しい表現である。汗を発する、ということだろうか。真菌を排出する、ということだろうか。

考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?

真菌感染による甲状腺機能低下か

  • 脈浮緩は傷寒論・金匱要略を通して本条のみである。
  • 浮而緩は傷寒論187条278条、金匱要略15-1条
  • 少陰の証とは脈は微細あるいは沈。横になりたがる(傾眠傾向か)。熱はないとされる。小便の色は白い。亡陽。咽頭痛など。
  • 傾眠傾向がない=低ナトリウム血症、高カルシウム血症は否定。
  • 口渇多尿がない=低カリウム血症は否定。
  • 心機能障害症状がない=高カリウム血症は否定。

中国伝統医学ではこう考えた
日本漢方ではこう考えた