若吐若下後

若吐若下後とは現代的に考えると、若吐若下後とは何なのか?

感染症などにより嘔吐、下痢をした後、
あるいは催吐、瀉下療法を試みた後、という意味。

若吐若下後を含む条文古典に散見する若吐若下後

宋版傷寒論67条
康治版傷寒論21条

傷寒 若吐若下後 心下逆滿 氣上衝胸 起則頭眩 脉沈緊 發汗則動經 身爲振振搖者 茯苓桂枝白朮甘草湯主之 方三十

傷寒。若しくは吐し、若しくは下せし後、心下逆満し、気上って胸を衝く。起てば即ち頭眩す。脈沈弦。汗を発すれば即ち経を動じ、身振振として揺を為す者は茯苓桂枝白朮甘草湯がこれを主る。(方三十)

茯苓桂枝白朮甘草湯(苓桂朮甘湯)方
茯苓四兩 桂枝三兩 去皮 白朮 甘草各二兩 炙
右四味 以水六升 煮取三升 去滓 分温三服

宋版傷寒論161条

傷寒發汗 若吐若下 解後心下痞鞕 噫氣不除者 旋復代赭湯主之 方二十三

傷寒。汗を発し、若しくは吐かせ、若しくは下して解せる後、心下痞鞕し、噫氣の除かれざる者は旋復代赭湯これを主る。(方二十三)

旋復代赭湯方
旋復花三兩 人參二兩 生薑五兩 代赭一兩 甘草三兩 炙 半夏半升 洗 大棗十二枚 擘 
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服

宋版傷寒論168条
康治版傷寒論42条

傷寒 若吐若下後 七八日不解 熱結在裏 表裏倶熱 時時惡風 大渇 舌上乾燥而煩 欲飮水數升者 白虎加人參湯主之 方三十

傷寒。若しくは吐し、若しくは下して後、七八日解せず。熱は結ばれて裏に在り、表裏倶に熱し、時時惡風す。大いに渇し、舌上乾燥して煩し、飮水數升を飲まんと欲する者は白虎加人參湯これを主る。(方三十)

白虎加人參湯方
知母六兩 石膏一斤 碎 甘草二兩 炙 人參二兩 粳米六合
右五味 以水一斗 煮米熟 湯成去滓 温服一升 日三服 此方立夏後立秋前 乃可服 立秋後不可服 正月二月三月尚凛冷 亦不可與服之 與之則嘔利而腹痛 諸亡血虚家 亦不可與 得之則腹痛利者 但可温之 當愈

宋版傷寒論212条

傷寒若吐若下後不解 不大便五六日 上至十餘日 日晡所發潮熱 不惡寒 獨語如見鬼状 若劇者 發則不識人 循衣摸牀 惕而不安 微喘直視 脉弦者生 濇者死 微者 但發熱讝語者 大承氣湯主之 若一服利 則止後服 四

傷寒。若しくは吐し、若しくは下して後、解せず。大便せざること五六日。上は十餘日に至る。日晡所潮熱を発し、惡寒せず、獨語して鬼状を見るが如し。若し劇しき者、發すれば則ち人を識らず、循衣摸牀じゅんいもしょうし、惕てきして安んせず。微喘して、直視し、脉弦なる者、生き、濇なる者、死。微なる者、但だ發熱し、讝語する者、大承氣湯これを主る。若し一服して利するときは、則ち後服を止む。(四)

宋版傷寒論250条

太陽病 若吐若下若發汗後 微煩 小便數 大便因鞕者 與小承氣湯 和之愈 三十四