原文
服桂枝湯 大汗出後
大煩渇不解 脉洪大者 白虎加人參湯主之 方十三
桂枝湯を服して大いに汗出て後、
大いに煩渇して解せず、脉洪大の者は白虎加人參湯これを主る。(方十三)
白虎加人參湯方
知母六兩 石膏一斤 碎 綿裹 甘草炙 二兩 粳米六合 人參三兩
右五味 以水一斗 煮米熟 湯成去滓 温服一升 日三服
- 白虎加人参湯掲載条文傷寒論26条・168条・169条・170条・222条、金匱要略2-27条・13-12条
- 傷寒論26条:石膏(砕いて綿に包む)、甘草(炙る)、人参3両
- 傷寒論168条・169条・170条:石膏(砕く)、甘草(炙る)、人参2両
- 傷寒論222条:石膏(砕く)、甘草(炙る)、人参3両
- 金匱要略:石膏(砕く)、甘草、人参3両
条文解説条文を細かく解釈してみよう
服桂枝湯桂枝湯を服用した。通常桂枝湯を服用していれば電解質異常や脱水は起こりにくいはずだが、大煩渇が起こったという(なお桂枝湯服用後、大汗が出て脈洪大の時に更に桂枝湯を与える条文もある。→25条)。
大汗出後 大煩渇高熱、マイコトキシン、あるいは肝機能障害などでチアミン(ビタミンB1)が欠乏、それが発汗で更に欠乏(水溶性ビタミンであるチアミンは汗と共に排泄されてしまう)、チアミン欠乏による血管拡張、あるいは神経障害で大汗になり脱水、チアミン欠乏と合わせて大煩渇を起こしたと考えられる。 →チアミン(ビタミンB1)欠乏 →煩渇
不解発熱によるβ2刺激作用だろうか、高Caもあるため、大煩渇はおさまらない。 →高カルシウム血症
脉洪大者チアミン欠乏による血管の過剰な拡張。 →脉洪大
石膏一斤 碎 綿裹
考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?
二次性チアミン欠乏症
- 石膏:チアミン欠乏ならば硫黄もいる。
- 甘草と人参
- 知母:糖の吸収を抑える。