傷寒論 辨陽明病脉證并治第8-219条

原文

三陽合病 
腹滿 身重 難以轉側 口不仁面垢 讝語遺尿 發汗則讝語 
下之則額上生汗 手足逆冷 若自汗出者 白虎湯主之 方九

三陽の合病。
腹滿し、身重く、以って轉側し難し。口不仁にして、面垢づき、讝語し、遺尿す。汗を発すれば則ち讝語す。
これを下せば則ち、額の上に汗を生じ、手足逆冷す。若し自汗出る者は白虎湯これを主る。(方九)

白虎湯方

知母六兩 石膏一斤 碎 甘草二兩 炙 粳米六合
右四味 以水一斗 煮米熟 湯成去滓 温服一升 日三服

エキス剤無

白虎湯

白虎湯の飲み方

  • 白虎湯はエキス剤が販売されていません。
  • 参考:傷寒論176条350条
  • 石膏は砕いて煎じます。綿には包みません。

条文解説条文を細かく解釈してみよう

三陽合病感染症である。太陽病、陽明病、少陽病全ての症状があるが、と読む。

腹滿腹水かガスが考えられる。

身重倦怠感か浮腫であろう。

難以轉側脱力、筋力低下、深部腱反射低下で寝返りができないのだろう。低カリウム血症、あるいは低ナトリウム血症を疑う。「難以轉側」は附子湯条文(305条)にも見られる。

口不仁チアミン欠乏による神経異常。 →チアミン(ビタミンB1)欠乏

面垢高アンモニア血症。

讝語脳症。

遺尿神経障害。

發汗則讝語脱水でのうわごとか。

下之則額上生汗冷や汗が出る。交感神経の強い興奮。

手足逆冷手足が冷えた。 →手足逆冷

若自汗出者 白虎湯主之発汗するともっと酷くなる。

考察この条文はどのような症状を指しているのだろうか?

二次性急性副腎不全か

  • 石膏は、チアミン欠乏による乳酸アシドーシスにも、低カリウム血症によるアルカローシスにも対応できる。
  • 石膏は、アンモニアを結合する→高アンモニア血症か?