短気とは現代的に考えると、短気とは何なのか?
呼吸困難
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短気を含む条文古典に散見する短気
- 宋版傷寒論2-5条
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師持脉 病人欠者無病也 脉之呻者病也 言遲者風也 搖頭言者裏痛也 行遲者表強也 坐而伏者短氣也 坐而下一脚者腰痛也 裏實護腹如懷卵物者心痛也
師が脉を持つとき、病人欠する者は無病なり。之を脉して呻く者は病なり。言の遲き者は風なり。頭を搖って言う者は裏の痛なり。行の遲き者は表の強なり。坐して伏せる者は短氣なり。坐して一脚を下げる者は腰痛なり。裏實し腹を護ること卵物を懷く如き者は心痛なり。
起坐呼吸をしているので、心不全、呼吸器疾患による呼吸困難。
- 宋版傷寒論2-37条
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趺陽脉微而緊 緊則爲寒 微則爲虚 微緊相搏 則爲短氣
趺陽の脉微にして緊。緊は則ち寒と為す。微は則ち虚と為す。微緊相搏てば則ち短氣と為る。
糖尿
- 宋版傷寒論48条
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二陽併病 太陽初得病時 發其汗 汗先出不徹 因轉屬陽明 續自微汗出 不惡寒
若太陽病證不罷者 不可下 下之爲逆 如此可小發汗
設面色縁縁正赤者 陽氣怫鬱在表 當解之熏之
若發汗不徹 不足言陽氣怫鬱不得越 當汗不汗 其人躁煩 不知痛處 乍在腹中 乍在四肢 按之不可得 其人短氣但坐 以汗出不徹故也 更發汗則愈 何以知汗出不徹 以脉濇故知也二陽の併病。太陽初め病を得し時、其の汗を発す。汗先ず出づるも徹せず。因って陽明に転属す。續いて自ら微かに汗出、惡寒せず。
若し太陽病證罷まざる者、下す可からず。これを下すを逆と爲す。此の如きときは小しく汗を發す可し。
設し面色縁縁として正赤の者、陽氣怫鬱として表に在り。當にこれを解するにこれを熏ずべし。
若し汗を發して徹せず、言うに足らず、陽氣怫鬱として越するを得ず。當に汗すべくして汗せず。其の人躁煩して痛む處を知らず。乍ち腹中に在り。乍ち四肢に在り。これを按ずるも得べ可らず。其の人短氣し、但だ坐す。汗出づること徹せざるを以っての故也。更に發汗すれば則ち愈ゆ。何を以って汗出づること徹せざるを知るか。脉濇なるを以っての故に知る也。起坐呼吸
- 宋版傷寒論134条
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太陽病 脉浮而動數 浮則爲風 數則爲熱 動則爲痛 數則爲虚 頭痛發熱 微盗汗出 而反惡寒者 表未解也
醫反下之 動數變遲 膈内拒痛 胃中空虚 客氣動膈 短氣躁煩 心中懊憹 陽氣内陷 心下因鞕 則爲結胸 大陷胸湯主之
若不結胸 但頭汗出 餘處無汗 劑頸而還 小便不利 身必發黄 大陷胸湯 方二太陽病。脉浮にして動數。浮は則ち風と為す、數は則ち熱と為す。動は則ち痛と為す、數は則ち虚と為す。頭痛。發熱。微かに盗汗出づ。而るに反って惡寒する者は、未だ表が解せざる也。
醫、反ってこれを下せば、動數は遅變る。膈内拒痛し、胃中空虚。客氣膈を動かし、短氣し、躁煩し、心中懊憹す。陽氣内陷し、心下因って鞕し、則ち結胸と為る。大陷胸湯これを主る。
若し結胸せず、但だ頭にのみ汗が出て、餘處に汗無く、頸を劑りて還り、小便利せざる時は、身に必ず發黄す。大陷胸湯。(方二)大陷胸湯方
大黄六兩 去皮 芒消一升 甘遂一錢匕
右三味 以水六升 先煮大黄取二升 去滓 内芒消 煮一兩沸 内甘遂末 温服一升 得快利止後服 - 宋版傷寒論152条
康治版傷寒論36条 -
太陽中風 下利嘔逆 表解者 乃可攻之 其人漐漐汗出 發作有時 頭痛 心下痞鞕滿 引脇下痛 乾嘔短氣 汗出不惡寒者 此表解裏未和也 十棗湯主之 方十六
太陽の中風。下利。嘔逆す。表解する者は乃ちこれを攻むべし。其の人漐漐として汗出で、發作時有り。頭痛し、心下痞鞕し滿ち、脇下に引いて痛み、乾嘔し、短氣す。汗出でて惡寒せざる者は此れ表解し、裏未だ和せざる也。十棗湯これを主る。(方十六)
十棗湯方
芫花熬 甘遂 大莓
右三味等分 各別擣爲散 以水一升半 先煮大棗肥者十枚 取八合 去滓 内藥末 強人服一錢匕 羸人服半錢 温服之 平旦服 若下少病不除者 明日更服 加半錢 得快下利後 糜粥自養 - 宋版傷寒論175条
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風濕相搏 骨節疼煩 掣痛不得屈伸 近之則痛劇 汗出短氣 小便不利 惡風不欲去衣 或身微腫者 甘草附子湯主之 方三十七
風濕相搏ち、骨節疼煩し、掣痛して屈伸することを得ず。これに近づけば則ち痛み劇し、汗出て短氣し、小便不利。惡風して衣を去ることを欲せず。或は身に微腫ある者は甘草附子湯これを主る。(方三十七)
甘草附子湯方
甘草二兩 炙 附子二枚 炮 去皮破 白朮二兩 桂枝四兩 去皮
右四味 以水六升 煮取三升 去滓 温服一升 日三服 初服得微汗則解 能食汗止復煩者 將服五合 恐一升多者 宜服六七合爲始 - 宋版傷寒論208条
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陽明病 脉遲 雖汗出不惡寒者 其身必重 短氣腹滿而喘 有潮熱者 此外欲解 可攻裏也 手足濈然汗出者 此大便已鞕也 大承氣湯主之
若汗多 微發熱惡寒者 外未解也
其熱不潮 未可與承氣湯 若腹大滿不通者 可與小承氣湯 微和胃氣 勿令至大泄下 大承氣湯 方二陽明病。脉遲。汗出づと雖も惡寒せざる者は、其の身必ず重し。短氣、腹滿して喘し、潮熱有る者、此れ外解せんと欲す。裏を攻む可き也。手足濈然として汗出づる者、此れ大便已に鞕き也。大承氣湯これを主る。
若し汗多く、微しく發熱し、惡寒する者、外未だ解せざる也。
其の熱潮せざれば、未だ承氣湯を與う可からず。若し腹、大いに滿ち、通ぜざる者、小承氣湯を與え、微しく胃氣を和せしむ可し。大泄下に至らしむ勿れ。大承氣湯。(方二)大承氣湯方
大黄四兩 酒洗 厚朴半斤 炙 去皮 枳實五枚 炙 芒消三合
右四味 以水一斗 先煮二物 取五升 去滓 内大黄 更煮取二升 去滓 内芒消 更上微火一兩沸 分温再服 得下餘勿服小承氣湯方
大黄四兩 酒洗 厚朴二兩 炙 去皮 枳實三枚 大者 炙
右三味 以水四升 煮取一升二合 去滓 分温二服 初服湯當更衣 不爾者盡飮之 若更衣者 勿服之 - 宋版傷寒論231条
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陽明中風 脉弦浮大 而短氣 腹都滿 脇下及心痛 久按之氣不通 鼻乾不得汗 嗜臥 一身及目悉黄 小便難 有潮熱 時時噦 耳前後腫 刺之小差 外不解 病過十日 脉續浮者 與小柴胡湯 十八
陽明の中風。脉は弦浮大。而して短氣し、腹は都て滿つ。脇下及び心痛む。久しくこれを按ずるも、氣は通ぜず。鼻乾く。汗を得ず。臥を嗜む。一身及び目悉く黄ばむ。小便は難し。潮熱有り。時時噦す。耳の前後腫る。これを刺せば小しく差ゆ。外は解せず、病十日を過ぎて、脉續いて浮なる者は小柴胡湯を與う。(十八)
- 金匱要略1-5条
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師曰 息搖肩者 心中堅 息引胸中上氣者欬 息張口短氣者 肺痿唾沫
師曰く、息して肩を揺する者は心中堅し。息、胸中に引き上氣する者は欬す。息して口を張り、短氣者、肺痿して唾沫す。
- 金匱要略1-9条
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師曰 病人脉浮者在前 其病在表 浮者在後 其病在裏 腰痛背強 不能行 必短氣而極也
師曰く、病人、脉浮なる者前に在るは其の病表にあり。浮なる者後に在るは其の病裏に在り。腰痛、背強、行くこと能わず。必ず短氣して極なり。
- 金匱要略2-25条
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風濕相搏 骨節疼煩 掣痛不得屈伸 近之則痛劇 汗出短氣 小便不利 惡風不欲去衣 或身微腫者 甘草附子湯主之
風濕相搏ち、骨節疼煩し、掣痛して屈伸することを得ず。之に近づくときは則ち痛み劇し。汗出でて短氣し、小便利せず。惡風して衣を去るを欲せず。或は身微腫する者は甘草附子湯これを主る。
甘草附子湯方
甘草二兩 炙 附子二枚 炮 去皮 白朮二兩 桂枝四兩 去皮
右四味 以水六升 煮取三升 去滓 温服一升 日三服 初服得微汗則解 能食汗出復煩者 服五合 恐一升多者 服六七合爲妙 - 金匱要略5-4条
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寸口脉遲而緩 遲則爲寒 緩則爲虚 榮緩則爲亡血 衞緩則爲中風 邪氣中經 則身痒而癮疹 心氣不足 邪氣入中 則胸滿而短氣
寸口の脉遲にして緩。遲は則ち寒と為す。緩は則ち虚と爲す。榮緩なるときは則ち亡血と為す。衞緩為るときは則ち中風と為す。邪氣經に中るときは則ち身痒くして癮疹となる。心氣不足し邪氣中に入るときは則ち胸滿ちて短氣す。
- 金匱要略5-11条
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盛人脉濇小 短氣自汗出 歴節疼不可屈伸 此皆飮酒汗出 當風所致
盛人、脉濇にして小。短氣して自汗出づ。歴節疼き、屈伸す可からず。此れ皆酒を飲んで汗出づ。風に當って致す所なり。
- 金匱要略5-12条
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諸肢節疼痛 身體魁羸 脚腫如脱 頭眩 短氣 温温欲吐 桂枝芍藥知母湯主之
諸諸の肢節が疼痛し、身体は魁羸し、脚は腫れて脱するが如し。頭眩、短気し、温温と吐せんと欲す。桂枝芍薬知母湯これを主る。
桂枝芍藥知母湯方
桂枝四兩 芍藥三兩 甘草二兩 麻黄二兩 生薑五兩 白朮五兩 知母四兩 防風四兩 附子二兩 炮
右九味 以水七升 煮取二升 温服七合 日三服 - 金匱要略6-5条
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男子脉虚沈弦 無寒熱 短氣裏急 小便不利 面色白 時目瞑 兼衄 少腹滿 此爲勞使之然
男子、脉虚にして沈弦。寒熱無し、短氣、裏急にして小便利せず。面の色白く、時に目瞑し、兼ねて衄す。少腹滿つ。此れ勞がこれをして然らしむると為す。
- 金匱要略9-2条
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平人無寒熱 短氣不足以息者實也
平人にして寒熱無く、短氣して以って息するに足らざる者實也。
- 金匱要略9-3条
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胸痺之病 喘息欬唾 胸背痛 短氣 寸口脉沈而遲 關上小緊數 括蔞薤白白酒湯主之
胸痺の病。喘息し、欬し、唾し、胸と背と痛み、短氣す。寸口脉沈にして遲。關上は小緊數。括蔞薤白白酒湯これを主る。
括蔞薤白白酒湯方
括蔞實一枚 搗 薤白半斤 白酒七升
右三味 同煮取二升 分温再服 - 金匱要略9-6条
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胸痺 胸中氣塞 短氣 茯苓杏仁甘草湯主之 橘枳薑湯亦主之
胸痺にて胸中に氣塞がり、短氣する。茯苓杏仁甘草湯これを主る。橘枳薑湯亦これを主る。
茯苓杏仁甘草湯方
茯苓三兩 杏仁五十箇 甘草一兩
右三味 以水一斗 煮取五升 温服一升 日三服橘枳薑湯方
橘皮一斤 枳實三兩 生薑半斤
右三味 以水五升 煮取二升 分温再服 - 金匱要略11-13条
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脾中風者 翕翕發熱 形如醉人 腹中煩重 皮目瞤瞤而短氣
脾の中風者、翕翕として發熱す。形は醉える人の如し。腹中煩して重し。皮目瞤瞤として短氣す。
- 金匱要略12-2条
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問曰 四飮何以爲異
師曰 其人素盛今痩 水走腸間 瀝瀝有聲 謂之痰飮
飮後水流在脇下 欬唾引痛 謂之懸飮
飮水流行 歸於四肢 當汗出而不汗出 身體疼重 謂之溢飮
欬逆倚息 短氣不得臥 其形如腫 謂之支飮問うて曰く、四つの飮は何を以って異なると為すか。
師曰く、其の人素と盛んにして今痩せる。水、腸間に走り、瀝瀝として聲有り。これを痰飮と謂う。
飮んだ後、水流れて在脇の下に在り、欬唾して痛を引く。これを懸飮と謂う。
飮んだ水が流れ行きて四肢に帰す。當に汗出づべくして汗出ず。身體疼重す。これを溢飮と謂う。
欬逆倚息し、短氣にして臥することを得ず。其の形は腫れの如し。これを支飮と謂う。 - 金匱要略12-3条
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水在心 心下堅築 短氣 惡水 不欲飮
水、心に在れば、心下堅く築す。短氣して、水を惡み、飮むことを欲せず。
- 金匱要略12-10条
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胸中有留飮 其人短氣而渇 四肢歴節痛 脉沈者有留飮
胸中に留飮有るときは其の人短氣して渇す。四肢歴節して痛む。脉沈なる者は留飮有り。
- 金匱要略12-12条
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夫病人飮水多 必暴喘滿 凡食少飮多 水停心下 甚者則悸 微者短氣 脉雙弦者寒也 皆大下後善虚 脉偏弦者飮也
夫れ病人飮水多ければ必ず暴 かに喘滿す。凡そ食少く飮多ければ水心下に停まる。甚だしき者は則ち悸し、微なる者は短氣す。脉雙 とも弦なる者は寒なり。皆大いに下れる後は善く虚す。脉偏のみ弦なる者は飮なり。
- 金匱要略12-13条
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肺飮不弦 但苦喘短氣
肺の飮は弦ならず。但だ喘に苦しみ短氣す。
- 金匱要略12-14条
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支飮亦喘而不能臥 加短氣 其脉平也
支飮も亦喘して臥する能わず。加えるに短氣す。其の脉は平なり。
- 金匱要略12-17条
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夫短氣有微飮 當從小便去之 苓桂朮甘湯主之(方見上) 腎氣丸亦主之
夫れ短氣して微飮有り。當に小便從りこれを去るべし。苓桂朮甘湯これを主る。(方は上に見ゆ)腎氣丸も亦これを主る。
腎気丸方
乾地黄八兩 薯蕷四兩 山茱萸四兩 澤瀉三兩 茯苓三兩 牡丹皮三兩 桂枝一兩 附子一兩 炮
右八味 末之 煉蜜和丸梧子大 酒下十五丸 加至二十五丸 日再服 - 金匱要略14-6条
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趺陽脉當伏 今反緊 本自有寒 疝瘕腹中痛 醫反下之 下之即胸滿短氣
趺陽の脉は當に伏なるべし。今反って緊。本と自ら寒有り。疝瘕、腹中痛む。醫反ってこれを下す。これを下せば胸滿短氣す。