心下満

心下満とは現代的に考えると、心下満とは何なのか?

心窩部がいっぱいに詰まったような感じ

心下満が大動脈を圧迫し、心下悸になる場合もある。

  • 胃内容物の停滞

心下満を含む条文古典に散見する心下満

宋版傷寒論28条
康治版傷寒論9条

服桂枝湯 或下之 仍頭項強痛 翕翕發熱 無汗 心下滿微痛 小便不利者 桂枝去桂加茯苓白朮湯主之 方十五

桂枝湯を服し、或はこれを下し、仍頭項強痛し、翕翕として發熱し、汗無く、心下滿ち、微しく痛み、小便不利の者は、桂枝去桂加茯苓白朮湯これを主る。(方十五)

桂枝去桂加茯苓白朮湯方
芍藥三兩 甘草二兩 炙 生薑切 白朮 茯苓各三兩 大棗十二枚 擘
右六味 以水八升 煮取三升 去滓 温服一升 小便利則愈 本云 桂枝湯 今去桂枝 加茯苓白朮

宋版傷寒論148条

傷寒五六日 頭汗出 微惡寒 手足冷 心下滿 口不欲食 大便鞕 脉細者 此爲陽微結 必有表 復有裏也 脉沈亦在裏也 汗出爲陽微 假令純陰結 不得復有外證 悉入在裏 此爲半在裏半在外也 脉雖沈緊 不得爲少陰病 所以然者 陰不得有汗 今頭汗出 故知非少陰也 可與小柴胡湯 設不了了者 得屎而解 十四 用前第十方

傷寒、五六日。頭汗出で、微しく惡寒し、手足冷ゆ。心下滿ち、口は食を欲せず。大便鞕し。脉細なる者は此れ陽微結と為す。必ず表有り。復た裏有る也。脉沈も亦た裏に在る也。汗出づるは陽微と為す。假令純陰結ならば復た外證有ることを得ず。悉く入りて裏に在り。此れ半ばは裏に在り、半ばは外に在りと為す。脉沈緊と雖も少陰病と為すことを得ず。然る所以の者は、陰は汗あることを得ざればなり。今頭汗出づ。故に少陰に非ざるを知る也。小柴胡湯を與う可し。設し了了足らざるも屎を得て解す。(十四 前の第十の方を用いる)

宋版傷寒論149条
康治版傷寒論35条

傷寒五六日 嘔而發熱者 柴胡湯證具 而以他藥下之 柴胡證仍在者 復與柴胡湯 此雖已下之 不爲逆 必蒸蒸而振 却發熱汗出而解 若心下滿而鞕痛者 此爲結胸也 大陷胸湯主之 但滿而不痛者 此爲痞 柴胡不中與之 宜半夏瀉心湯 方十五

傷寒、五六日。嘔して發熱する者は柴胡湯の證具わる。而るに他藥を以ってこれを下し、柴胡の證仍在る者は復た柴胡湯を輿う。此れ已にこれを下すと雖も逆と為さず。必ず蒸蒸として振い、却って發熱し、汗出でて解す。若し心下滿ちて鞕く痛む者は此れ結胸と為す。大陷胸湯これを主る。但だ滿ちるも痛まざる者は此れを痞と為す。柴胡はこれを与えるに中らず。半夏瀉心湯に宜し。(方十五)

半夏瀉心湯方
半夏半升 洗 黄芩 乾薑 人參 甘草炙 各三兩 黄連一兩 大棗十二枚 擘
右七味 以水一斗 煮取六升 去滓 再煎取三升 温服一升 日三服 須大陷胸湯者 方用前第二法

宋版傷寒論355条

病人手足厥冷 脉乍緊者 邪結在胸中 心下滿而煩 飢不能食者 病在胸中 當須吐之 宜瓜蔕散 方七

病人、手足厥冷し、脉乍ち緊者、邪が結ばれて胸中にあり、心下滿ちて煩し、飢えるも食する能わざる者、病は胸中にあり。當に須くこれを吐くべし。瓜蔕散に宜し。(方七)

瓜蔕散方
瓜帶 赤小豆
右二味 各等分 異擣篩 合内臼中 更治之 別以香敱一合 用熱湯七合 煮作稀糜 去滓 取汁和散一錢匕 温頓服之 不吐者 少少加 得快吐乃止 諸亡血虚家 不可與瓜蔕散

金匱要略10-12条

按之心下滿痛者 此爲實也 當下之 宜大柴胡湯

これを按じて心下滿痛者、此れ實と為す也。當にこれを下すべし。大柴胡湯に宜し。

大柴胡湯方
柴胡半斤 黄芩三兩 芍藥三兩 半夏半升 洗 枳實四枚 炙 大黄二兩 大棗十二枚 生薑五兩 
右八味 以水一斗二升 煮取六升 去滓再煎 温服一升 日三服